2-9. 天国の特別なこども

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天国の特別なこども

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手術後、入院中の待ち時間に病院の中をうろうろしまくっていたら、
廊下にこんな詩が貼ってあった。

天国の特別なこども

会議が開かれました。
地球からはるか遠くで

「また次の赤ちゃんの誕生の時間ですよ」

天においでになる神様に向って天使たちは言いました。

「この子は特別の赤ちゃんでたくさんの愛情が必要でしょう。
この子の成長はとてもゆっくりに見えるかもしれません。
だからこの子は下界で出会う人々に
とくに気をつけてもらわなければならないのです。

もしかしてこの子の思うことはなかなかわかってもらえないかもしれません。
何をやってもうまくいかないかもしれません。
ですから私たちはこの子がどこに生まれるか
注意深く選ばなければならないのです。

この子の生涯がしあわせなものとなるように
どうぞ神様この子のためにすばらしい両親を探してあげてください。
神様のために特別な任務をひきうけてくれるような両親を。
その二人はすぐには気が付かないかもしれません。
彼ら二人が自分たちに求められている特別な役割を。
けれども天から授けられたこの子によって
ますます強い信仰と豊かな愛をいだくようになるでしょう。

やがて二人は自分たちに与えられた特別の神の思召しを悟るようになるでしょう。
神からおくられたこの子を育てることによって。
柔和でおだやかなこのとうとい授かりものこそ
天から授かった特別な子どもなのです。」Edena Massimilla作

そうか。特別な子を授かったんだ。。。
この子の人生がしあわせになるようにと私たちが選ばれたんだ。
生まれる前の赤ちゃんの小さな玄と神様と天使の様子を想像した。

そんな視点それまでなかった。

気持ちが救われるような気がして何度も見たかったので、ネットで検索してプリントした。

その後何年もの間自宅の冷蔵庫に貼ったままになった。

人が気づかなくなった

退院後もしばらくの間は傷口にばんそうこうを貼った状態の生活をしていた。

退院した後の顔を見ておばあちゃんが「玄ちゃんよくがんばったねー」とうるうるしていた。

肌色のばんそうこうだったので少し遠目からみると他人からは(奇形があった事は)一見わからなくなったようだった。
買い物の時「あら。お鼻けがしたの?男の子はけがが絶えないんだよね。」と初対面の人に言われた時はなんだか嬉しかった。

これで堂々と公園や買い物に行けると思った。
これまでも堂々と行っていたけど、、、それでもやはり人に気付かれないというのはしあわせな事だ。

形成の先生に感謝感謝。。。である。

1歳の頃

術後2カ月経った1歳のお誕生日

日本聾話学校を紹介される

2015・撮影

2015・撮影

聞こえない赤ちゃんとの生活をどのように進めていったらよいか?
のアドバイスは早ければ早いほどいい。ということで退院間もなくこども医療センターから聾学校の乳幼児部を紹介していただいた。

赤ちゃんは生まれた時からお母さんの声を聞いて安心したり、家族や周りの言葉を聞きながら、言葉はもちろん心の部分も育ってくるからだ。
補聴器を早い段階から着用したほうがいい。。(ということすらそれまで知らなかった)

「ご自宅から近いところですと「聴覚口話法」の学校ですけど町田に「日本聾話学校」がありますよ。一度見学に行かれてみますか?」
ということで日本聾話学校に見学を兼ねて相談に行った。

ここは、聴覚主導の学校で、聾学校ではあるが手話を使わずに補聴器(現在ならば人工内耳も)をフル活用し、わずかに残された残存聴力を最大限に伸ばすという方針で、
聞こえない子も口話によってコミュニケーションできるようになるという。

「ことば」は教えて育てるのではなく、生活の中や本人が体験したことで生きた言葉、心と心のやり取り、対話をたくさん重ねていく事が大切、
その積み重ねによって(話し言葉による)コミュニケーションは楽しいなあと本人が感じることがまずは一歩だという。

そして手話は一切使わない。手話を与えてしまうと、難聴児の耳を開くという主旨の聴覚口話法での教育ができなくなる。
子供が成長し世の中に出て、まわりに手話を使える人というのはまだまだ少数で、少しでも口話によるやり取りができたほうが良いのではないでしょうか?
というような話だった。

どちらかといえば「健聴者に障害児をあわせる、引き上げる考えかも」と今となっては思えなくもないが、
その時は「この子が口話でやりとりできるようになるならばそれは素晴らしいことだよな」と思った。

補聴器をつけて健常の子と同じようには話せないけど、、いい感じで楽しそうに口話で会話している幼稚部のお姉ちゃんたちがたくさんいた。
「ここに通ううちにこんなふうになるのかな?」と単純に思った。

そして何よりもここの学校の持つ暖かい雰囲気とやさしそうな先生方が印象的でここにお世話になることになった。

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