1-1. オトコ女の妊娠と不思議な夢

はじまり

短いOL時代

23歳、世の中はちょうどバブルがはじけた頃だった。

美大の建築科を卒業して一年後、店舗のインテリア、エクステリア・都市デザインなどの空間デザインが主のデザイン事務所に勤めることになった。

デザイン検討、図面書き、各業者さんとの打ち合わせなどなど多岐にわたる仕事は「楽しい」というより「仕事を覚えるのに夢中」といった感じだった。
入社2年目位からバブルのあおりを受け仕事がどんどん減っていき、給料やボーナスも滞るようになっていく。

「ここにいる間に一級建築士の免許を取って転職しよう。次へのステップの準備をしよう。」と固く決意し、免許を所得した。

新しい転職先は同じようなジャンルのデザイン事務所を、出入り業者さんからこっそり紹介していただいた。

さてこれから新しい気持ちで仕事しよう!と思った矢先。。。

ある日夢を見た

当時彼氏と半同棲していた。今の旦那さんである。
彼とは同じ大学同じ建築科ではじめは友達同士、よく男女学年を超えた気の合う数人で夜ドライブに出かけたり旅行に行ったりとエンジョイしたものだった。

卒業間近の頃、ある日「あ。この人だ!!!この人!」と自分の心の中にフラグが急に立ち、その後こちらからがんがんアタック、付き合い始めた。

新しい転職先に慣れ出した頃不思議な夢を見た。

運動場の真ん中に彼が白いトラの赤ちゃんを抱き上げ、嬉しそうに空に向かって「高い高い」している。
私はそれをとてもしあわせな気持ちで眺めていた。
全体的に白い光に包まれていたが、白いトラの赤ちゃんの周りは特に光が強かった。

昔から夢占いが好きな私。

早速夢辞典で調べてみた。

「ねえ。ねえ。トラの赤ちゃんを抱く夢って『かしこい男の子が生まれます』だってよーー。ひゃあ。どうする?」

「えーーまじーー?子供?子供好きだけどそれ今は困るね」と彼

赤ちゃんできちゃった!

そんな夢を見て間もない頃、これまでの感覚にはない体の変化に気がつき、「もしかして?」と妊娠検査薬を試してみたら陽性がでた。

「え。。え。。どうする?産みたい?」

「うん。産みたい!」私あまり何も考えていなかったかも。

その後お互いの両親に電話で報告、私は父から「裏切り者」と激怒されてしまった。

生まれてくる子供のためにも結婚しましょう。という話になったが
両親は心を整理するのに一ヶ月かかっていた。

と思ったが、後で分かった話、大切に育てた一人娘の結婚したいという相手がどういう人なのか外部に調査を依頼していたようだった。